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なにもない手から生まれるもの
今の所、機動警察パトレイバーがメイン 『好きこそ物の上手なれ』を目指して邁進中 
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え〜と、とりあえず…。そんな…。
皆さんスミマセン(逃)!!

この二人なんですもの〜。ヘタレな私を許して下さい。
7つの海より心が広いという方のみがご覧になった方がいいかも…。



酔っぱらいの戯れ事 6


「遊馬…遊馬!!起きてよ!そろそろ出る準備しないと駄目じゃない!?」
体を揺すられて目が覚める。重い瞼をこじ開けるとぼんやりと野明の顔が見えた。
「う〜っす… …み水…ある?」
酒のおかげですっかり喉がカラカラだった。ペットボトルの水が差し出されると、遊馬はそれを一気に飲み干す。
目の前の野明を見詰めると、何故かあまり自分を見ていない事に気が付いたが、寝ぼけた頭ではあまり考えがまとまらない。

「俺いつベッドで寝た? …まさか!お前ソファで寝たんじゃないだろうな!!」
「だ…大丈夫だよ。ベッド広かったからあたしも寝れたよ。」
「ならいいんだけど。お前、風呂は?入ったの?」
「え…ああ…あたしは遊馬が寝ちゃった後に入ったよ。」
だいぶはっきり見える様になった目でみれば、野明は薄化粧を施し髪もセットされ、直ぐに退室できる状態であった。
「じゃ、俺急いで風呂入ってくるわ。チェックアウトに間に合わなくなりそうだな。」
「う…うん。」
どこかヨソヨソしい野明の反応にやはり疑問を持ちながらも、時間に余裕が無いので遊馬は急いで風呂場へ急行した。
1人残された野明がほっと息を一つ吐くと
「遊馬、あの事覚えてないんだ。」
昨夜のベッドでの出来事をひとり思い出し、顔を真っ赤に染めるのだった。


ホテルを出てからは、直ぐに近くのファミレスへ入った。
昨晩から酒ばかり飲んでいて、まともな食事をしていなかった二人はかなりな空腹状態だった。
ブランチだからと二人で軽く4人前は注文して、片っ端から平らげて行く。
野明が仕上げのデザートを食べ、遊馬がコーヒーを飲んでようやく二人の胃が落ち着いた。


「あのさ…」
「うん。何?」
野明は目の前のチョコレートパフェに乗っているフルーツと格闘している。
この食事の間であの朝の微妙な態度の野明はなくなっていた。だが、遊馬はアレが何であったのかが気になっていた。
多分、夜に何かがあったのだろう。記憶に無い以上は素直に聞いてみるしかない。
「夜に何かあったか?」
野明の手がとまり、目が宙を彷徨う。
「何かって、な…なっ何にも!無いよ!!」
「…そりゃ…確実に何かあったって感じだな。」
「いやいや…無い!無い!ナイナイ!!!断じて無い!!」
パフェを猛烈につつき始める。その野明の顔は真っ赤だ。
「…まさか…!!」
その態度に遊馬の頭の中には、最悪の事態が想像される。
『俺…襲った?やっちゃった?』そんな言葉を遊馬は飲み込む。
野明はがつがつとパフェを食べ出し、遊馬はコーヒーを持つ手が震え出す。
『まさか!!いくら何でもそれは…!!!いや、しかし無いとは言い切れないか…
 ああぁ〜。ヤバい!これはヤバい!!ソレが事実なら北海道から親父さんが、マジで俺を殺しにくる。野明の反応からは何もしてい無いって可能性はゼロだ。何かがあったはずだ!
 く〜っ!!俺思い出せ!!!何をしたんだ一体。
 野明も野明だ襲われたんなら「強制猥褻罪だ!この強姦魔!」と罵ってくれてもいいだろう!もう、いっその事、俺を警察へ突出してくれ!!』
遊馬は悪い方へ悪い方へと想像力を膨らまし始める。しかし、ここは本当の事を聞かなければならない。
いつもの冷静さを必死にかき集めて、自分の心を支える。
「あの…わ…悪い。俺…あんまり…記憶に無いんだけど」
「……どの辺から?」
「えーっと、お前の実家の話しをしたような…酒飲みの常連客とか…」
「その辺りまでしか覚えてないの?」

遊馬はコーヒーをひと飲みするが、全くと言っていい程味も温度も感じられない。
『俺やっぱり、我慢出来なかったのか!?
 いや、それよりも、野明の事だから多分何かしてても「大丈夫だから」とか言うんだろうな。』
目の前の野明は空になったパフェのグラスを、カラカラとまだかき混ぜている。
その動揺振りが、ソレは事実なのだと遊馬の中で勝手に結論付け始めてしまう。
「俺やっぱり…その…酷い事したんだな?」
「…ちょっとびっくりしただけだよ。あんな事されるの初めてだったし!
 ああっ大丈夫だって!変に心配しないでよ!遊馬との関係は変わらないから!!!
 遊馬あれだけ酔ってたんだから、きっと混乱してたんだよ。日頃のストレスとかも溜まってたんじゃないかな?」
早口になりながらも遊馬を安心させようと、顔を真っ赤にしながら無理矢理作った笑顔で野明が答える。
予想通りの答えに、遊馬はがっくりする。
「お前ってさぁ…人が良いにも程があるぞ」
「そ…そうかな」
そう言うと、あははは、と野明は笑う。
「…ってそうじゃなくて、お前はそれで良いのか!??」
「へ…良いのかって?いいんだよ〜。あんな事対した事じゃないから
 悪いって思ってるならココ奢ってよ。」
ニコニコと笑う野明のあまりにいつもな対応に、何かが変だと遊馬は感じた。
 

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石は御勘弁下さいませ(逃)!!!
残す所最終話でございます。まぁ、こちらのオチも予想通り?
皆様、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。(たはは…無理?)

拍手[7回]

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面白い!! 
野明の反応を見ていたら、遊馬じゃなくても自分の行動が不安になるよ~って爆笑しちゃいました!!
かわいい2人ですね。
本当にお子様って感じです☆
すんごく面白い展開です。私には書けない世界観です…たぶん(笑)
勉強になります。
2010.10.04 21:25 Posted by ASAKI | Edit
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何かを描いたり、書いたり。
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十年振りに絵を描く事を始めました。

鈍りまくった腕とペンタブ(使った事が無い)で

どこまで描ける様になるか、、、​

​恥をさらしながらも修行してみようと思っています。
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